シェリーカスクおすすめ15選｜シェリーカスクとは？ウイスキーの特徴や味を解説！

ウイスキーにはさまざまな種類があり、熟成を行う樽の種類によって味わいが大きく変わります。「シェリーカスク」とはスペインで作られている酒精強化ワイン「シェリー酒」を熟成した樽で熟成されたウイスキーで、シェリー酒の味わいが感じられるウイスキーです。

シェリー酒は元々甘いので、シェリーカスクにもシェリー酒の甘さやシェリー樽由来の香りが感じられます。シェリー酒にも複数の種類があり、また樽に使われる木材はスパニッシュオークとアメリカンオークといった違いもあるため、熟成したシェリー酒と木材の種類によって味わいも異なります。

そんなシェリー酒ですが、種類もたくさんあり値段も安いものから高いものまであるので、どれを選んだらいいか迷いがちです。そこで今回は「シェリーカスクとは？」という基本情報から有名なシェリー系ウイスキー、おすすめ製品まで紹介します。

シェリーカスクは、元々はスペインの酒精強化ワイン「シェリー酒（シェリーワイン）」を熟成するための樽です。シェリーカスクウイスキーとはシェリー酒の熟成に使われたオーク樽で熟成していたウイスキーを指します。

ウイスキーの説明を読んでいると出てくる「シェリー感」とは、果実のような甘い風味を指します。シェリー酒を熟成した樽には、果実の風味やビターさ、スパイシーな後味など、通常の樽にはない風味をウイスキーに加えてくれる効果があります。シェリーカスクには普通のウイスキーにはない独特の味わいが楽しむのが可能です。

ウイスキーを熟成する樽は、さまざまなお酒の熟成に使われたものが使用される場合があります。バーボンカスクもその1つで、その名の通りバーボンの貯蔵や熟成に使用されたオーク樽で熟成したウイスキーです。

シェリーカスクと比較するとバーボンカスクの樽は約半分程度の容量で小さく、シェリー酒が果実の風味をウイスキーに加えます。一方、バーボンカスクはバニラやキャラメルのような軽い甘さが加えられるのも、大きく異なる点です。

日本で初めてウイスキーを製造したサントリーの山崎蒸留所の名を冠した「山崎」、もう1つのサントリーの蒸留所の名が付けられた「白州」の2種類のウイスキーにもシェリーカスクがあり、いずれもスパニッシュオーク樽を使用しています。

山崎のシェリーカスクは赤みが強く、濃厚なベリーやカカオのような苦味が味わえます。白州の方もレーズンやチェリーの甘くビターな香りと甘さが感じられるのが特徴です。

こちらも、ジャパニーズウイスキーを代表するメーカー「ニッカウヰスキー」の宮城峡蒸溜所で作られたシェリーカスクです。シェリー樽で熟成した原酒のみを厳選してヴァッティングし、レーズンや杏を思わせる甘酸っぱい風味とリッチで深みのある味わいが楽しめます。

現在、宮城峡のウイスキーはシングルモルト以外は欠品となっているため、こちらのシェリーカスクも高値で取引されています。

スコットランド・スペイサイドのメーカー「グレンマレイ」の「シェリーカスクフィニッシュ」は、アメリカンオーク樽で熟成した後にオロロソシェリー樽熟成した、二段階熟成のシェリーカスクです。2種類の樽で熟成しているため、異なる味わいが複雑に絡み合う味に仕上げています。

シェリーカスク独特の甘い香りにバニラやチョコレート、スパイシーな香りが加わっています。

こちらもスコットランド・スペイサイドのメーカー「ザ・マッカラン」のシェリーカスクです。原木の選定から製樽まで自社で行い、シェリー樽で熟成した原酒のみを使用しています。ドライフルーツのような香りと味わいにウッドスモークやスパイス、柑橘などの香りも加わった余韻が感じられます。

ザ・マッカランのシェリーカスクは、12年・18年・25年・30年の4種類がラインナップされているのが特徴です。

1995年に設立された、スコットランドのアラン島に位置するアラン蒸留所は、ワインやポートワイン樽で熟成したウイスキーも製造しているメーカーです。シェリーカスクは、シェリー樽のみで熟成し、アルコール度数の調整をせずにボトリングされています。

フルーティーでシェリー樽由来のチェリーやいちじくなどの果実の風味やヘーゼルナッツ、トーストしたオークなどの風味が感じられます。

鹿児島県の酒造メーカー「本坊酒造」が手掛ける「マルスウイスキー」のシェリーカスクです。長野県のマルス信州醸造所で作られたウイスキー「岩井トラディション」を、極甘口のシェリー酒「ペドロ・ヒメネス」の樽で熟成しています。

樽由来のブラウンシュガーやメープルシロップを思わせる香りに、ペドロ・ヒメネスの極甘な味わいが楽しめます。

カバランは台湾で生産されているウイスキーで、2015~2016年の2年連続ワールドウイスキーアワードでワールドベストウイスキーに選出されるほど、世界的な人気を誇ります。カバランは複数の銘柄を発売していますが、すべてシングルモルトな点が特徴です。

カバランのシェリーカスク「カバラン ソリスト オロロソ シェリーカスク ストレングス」は、長年使用したスペイン産オロロソシェリー樽による深い味わいと芳しさが特徴で、ドライフルーツ・ナッツなどの香りのアクセントが幾層にも広がります。

シェリーカスクの味は、原酒であるウイスキーの味はもちろん、熟成する樽の違いによっても大きく変わります。基本的にシェリーカスクはシェリー酒の甘さが特徴ですが、同じ甘さでもレーズン・チェリー・ドライフルーツなど幅広い味の種類があります。

味の特徴などの情報はテイスティングコメントで確認できるので、購入前に参考にしてみましょう。

ここでは、代表的なシェリー酒5種類についてご紹介します。

• オロロソシェリー：最低5年以上かけて酸化熟成された、辛口で香りが高いシェリー酒。
• ペドロ・ヒメネス（PXカスク）：レーズン、イチジク、ドライフルーツなどの果実が使用されている。凝縮された糖分でかなり甘いシェリー酒。
• フィノ：酵母で熟成させているので、パン生地のような風味がある。りんご・レモンの風味も感じられる辛口のシェリー酒。
• アモンティリチャード：ナッツのような風味、植物アロマとフローラルな香りが特徴。オロロソシェリーとフィノの中間のような味わいと言われる。
• モスカテル：マスカットで作られたシェリー酒。非常に甘く、はちみつレモンティーより甘いと言われる。

シェリーカスクの味や香りは、シェリー酒の味の違いに加えて、樽に使用されている木材の種類によっても大きく異なります。樽は主にスパニッシュオークとアメリカンオークの2種類ですが、この樽でどのシェリー酒を熟成したかの組み合わせによって、シェリーカスクの味わいも変わるのです。

シェリーカスクの味をチェックするには、シェリー酒と木材の種類は要チェックです。

シェリーカスクの飲み方は複数あり、味わいもそれぞれ変わります。以下でおすすめの飲み方を解説しますので、ぜひ試して自分好みの飲み方を見つけてください。

ロックは、ロックグラスに氷を入れただけのシンプルな飲み方ですが、氷の解け具合により味の変化が楽しめるのが特徴です。飲み始めはストレートに近く、シェリーカスクの味わいをダイレクトに楽しめ、氷が解けていくごとに銘柄によっては甘みが増すなどのさらなる変化が楽しめます。

しかし、時間をかけすぎると薄まってしまい、せっかくの味わいをあまり感じられなくなるため注意してください。

シェリーカスクは、ハイボールでも楽しめます。ハイボールはソーダ水で割った飲み方ですが、シェリーカスクで行うと甘みが抑えられてドライでビターな風味になります。シェリーカスクならではの甘みを楽しみたい方には向いていませんが、炭酸の爽快感とビターな風味が好みの方におすすめの飲み方です。

せっかくお好みのシェリーカスクを飲むなら、おつまみも合うものを選びましょう。中でもフルーツ・ドライフルーツが合いやすい傾向があるため、おすすめです。フルーツはリンゴ・オレンジ・桃・パイナップルなどがシェリーカスクとよく合い、お互いのよさを引き立てます。

ドライフルーツは、オレンジピールはほろ苦い風味とシェリーカスクとよく合い、さらにデーツ・アプリコット・レーズンなどさまざまなものが基本的に合いますので、ご自身の好きなものを選んでください。

シェリーカスクと一口に言っても、ウイスキーそのものの味わいに加えて樽に使われる木材やシェリー酒の種類の違いにより、さまざまな味が生まれます。ぜひ今回の記事を参考にして複数の銘柄の飲み比べをし、シェリーカスクのおいしさを楽しみましょう。